蝶々の纏足

 という本があります。

蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)

蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)

 

 

高校2年の読書感想文でこの作品を選んだので、夏になると思い出します。

あらすじについて明確に覚えているわけではありませんが、

主人公と、そのお友達…と思っていた人の話。

 

自分を引き立たせるために、誰かをそばに置く。

そういう感覚は全く理解出来ませんが、

そうされているのではないか、と思うことは、未だにあります。

 

その人の都合のいいように使われていると感じると、その人に対して友情は感じません。相手は感じているかもしれませんけど。

 

相談したいことがある、と言われて、すごく急ぎだと言われて

なんとか都合をつけて会ってみたら、恋愛の愚痴だったり(相談でもなかったり)。

サークルの中での権力を誇示してみたり。

自分がしんどいときにそうされたとき、「すごいね」「大変だね」と相手の思うリアクションができることが友情なんだろうか。

「それは嫌だ」とその瞬間にいえたらどんなにいいかと思うけれど、それができていれば自分ではないわけで。

 

この主人公は友達だった人との決別を選ぶけれど、本当にそれが主人公にとっていいことだったか、すがすがしい結果であったかどうかは疑問です。私が彼女なら、悶々と引きずることだろうと思うのです。

 

夏になると、この小説を思い出します。

と同時に、自分にとっての友情のあり方を、もやもやと考えてしまうのです。